ハムステッドヒースへ行くの巻

少し寒くなったけれども、晴れた週末だったのでハムステッドヒースに行った。ハムステッドヒースはロンドンの中心から地下鉄ですぐのところにある広い広い森のような公園です。昨年はフェントンハウスに行ったけれども(以前のブログ参照)、今回はハムステッドヒースにあるケンウッドハウスに行ってみた。(じつは昨年も行こうとしたが、ヒースの端っこにあるため、時間も体力もなくいけなかった。)
ハムステッドヒースに行く道の途中に、フロイト博物館というのがあるので立ち寄ってみた。フロイトはオーストリアの精神分析学者だが、1939年に83歳で亡くなる最後の年に過ごした家が現在博物館になっている。普通のイギリスっぽい住宅地の中に普通の家があるので、注意して歩いていないと通り過ぎてしまうくらいだ。綺麗な家だけれども、周りに人気がない。そりゃ、住宅地だし、こんなフロイトの家(そしてフロイトが死んだ家)なんてあまり行かないよなあ、と思いながら、ドアをカランと空けると、予想以上に沢山の観光客が!!受付の人が美人すぎる!笑。玄関は明るい光が入り、コーヒーのよい香り。なんだかジメっとしたフロイトのイメージと違うんですが。。。家の中にある小さな土産物コーナーにてチケットを購入する。学生料金で。はい、まだ学生証持ってますから。ビザも学生ですから!!大学終わったけど。。。レジのお兄さんが勧めるままにオーディオガイドも1ポンドで借りる。小さそうな家だからいらないと思ったけれども、お兄さんが、「とても興味深いガイドですよ。」と言ってくれたので。(このオーディオガイドが、わかりやすい英語でなかなか面白かった。)2階への踊り場も明るい日差しが入っていて、なーんだか、ほんとうにあのフロイトじいさんの住んでいた家なのか?と思いながら1階の書斎に行くとなるほど。暗い。ここはフロイトが実際に患者さんとお話する時に使用していた椅子やソファや、そして彼の机などもあった。カーテンはもちろん遮光で外の世界を完全に遮断しているのがすぐにわかった。そしてダイニングには、日本の学者からもらったという山中湖の絵があってちょっと意外だった。(ガイドではフジヤマの絵と説明されていたけど。)
Freud+museum_convert_20111121084622.jpgフロイトの家(博物館)

普通の家のような博物館を後にして、ケンウッドハウスに向かう。これが結構遠い。ガイドブックでは、タクシーかバスと書いてあるではないか。でも、やっとのことでケンウッドハウスに到着。ここは、イーヴァン卿という人が集めたコレクションのある、貴族の館で、一般に無料で公開されている家だ。フロイトさんの家は普通の家だったが、ここは家というより館。入口を入ると、やけに礼儀正しい係の兄さんがいて、各部屋に警備の人がいる。すぐにターナーの絵を発見!!イギリスに来てからやたらターナーの絵を見るからちょっと好きになってきた。他にもレンブラントの自画像やフェルメールのギターを弾く人とかもある。遠いところを、わざわざ歩いて来てよかった!!贅沢な空間と時間を存分に楽しむ。見に来ている人達も、町の美術館とは違って、ハイキングスタイルの人が多いのが特徴。私も含めて。。。
kenwood+house2_convert_20111121084852.jpg
大きなケンウッドハウスの前には湖があり、犬の散歩をしている人や、子供たちが遊びまわっていて、本当に絵画の様子が現実化したような午後だった。
帰りは森の中を通ってみようかな。。。。と思ったのが間違いだった。やっぱり迷った。この広大な敷地で迷ったら、、、、野宿??早歩きで出口を探す。秋の枯れ葉に足をとられて、ちょっと歩きにくい。日が暮れかかったころ(といってもまだ3時半くらい。。)ようやく出口にでた!!!生きててよかったー。(公園内で遭難したら本当に笑い者だ)。
ほっと一息ついたら、声をかけられた。「今、何時ですか?」「えーっと、3:30です」
顔を見ると、55歳くらいのハゲて太って加齢臭のする英国ジジイがいた。「ありがとう。ところで、この辺は詳しいですか?」と聞かれた。ちょうどよかったー、駅がどこかわからなくなってたところだった。「いえ、ここは2回目なので。。。駅はどこですか?」「ああ、この辺なら僕、詳しいですよ、25年ほど前に住んでいたので。よかったら、僕のとっておきの場所にご案内しますよ。」えっ。。。時間を聞いたのは口実だったのか!しまった。こんな古典的なワナに引っかかるとは。断固拒否する。しかし、駅までは一緒に歩くのもいいだろう。これ以上迷いたくない。このジジイは人の話は聞かず、自分の身の上話を永遠としていた。口に泡をためながら。作家になりたい夢をあきらめきれないまま、ツアーガイドなど転々と仕事をしつつ生計を立てていたが、不況により無職になったのをきっかけに作家として今度の春にデビューするらしい。もうからないけど。(ああ、私も「仕事見つからなかったら、作家になってみたいなあー。」なんて気は絶対に持たないようにしよう。このジジイのようになりたくない。)駅が近づくにつれ、決してストーカーのようなことはしないから、連絡先を教えろだのしつこくなってきた。もう二度とこのジジイに会いたくない。ちょうどいいところに泥にまみれた汚い犬が私にまとわりついてきた。汚いけど、神の救い。犬と遊ぶ振りをして、ジジイから離れた。しばらくして、汚い犬も飼い主の元に去って行った。そして、私はまた一人になった。なんという素晴らしい瞬間。ガイドブックにあった、人気のケーキ屋に行ってみよう。なるほど、おいしそうなケーキが。が、店内が。。。じいさんだらけ。。。やめておこう、今日は。。。
家の近くまで来ると、雨が突然降り出した。ロンドンの天気はこれだからわからない。最近は折りたたみ傘を持っているので、困ることは少ない。傘を開くと、スッと隣に背の高い男性が来た。「一緒に傘に入れてもらえませんか?」ホラーだ、これは!!なんでこう次々と変なのがくるのだ!「イヤです。あなたはイギリスなまりだから、ここの人でしょ。こういう雨には慣れているだろうから、傘なんていらないはずです。」と言うと、「では、私が傘を持ちますので、どうですか?」と言われたので、傘でその男をたたいた。「うぁ、何をするんですか。いいです、では、このまま傘をささずに隣で歩きます。」自分の傘で男の顔が見えない。。。上質そうな革靴しか見えない。もしかして、このまま家の前までついてこられて、所持品を盗まれたらどうしよう。。。。本当は家に行く曲がり角ではないけれども、この男が怖いので、「私はこっちなので」と言った。すると、男は予想外にも「そうですか、僕はこっちの道なので。お会いできてよかったです。」と握手を求められた。傘を傾けて、顔を確認すると、イ、イケメン。。。しかも30代。。。握手、握手、と思った瞬間には、その青年はすでに雨の中へと消えて行った。
そして、私はまた一人になり、近所の黒猫にニャーとあいさつをして、無事に帰宅したのでした。
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